勝負を面白くするハンディキャップを設定
この耐久レースのスタート、以前はドライバーがコースの反対側から走ってきて乗り込む旧ル・マン式が取られていましたが、近年は安全を優先してローリングスタートが採用されています。アクセラのセーフティ(SC)カーが1周の先導走行を終えたところで、シグナルがグリーンに変わります。同時にコントロールラインで、マツダの西山雷大執行役員が社旗を振り下ろし、4時間後のチェッカーを目指した戦いが始まります。

スタートドライバーは副編集長以上か女性というのがルールです。それに加えて、2人目のドライバーに交代するより前に、有力チームは実行委員会が決めたハンディキャップを消化する義務があります。前年度優勝の「J-WAVE」チームは240秒、最多優勝の「ティーポ/デイトナ」は180秒、「REVSPEED」チームが120秒となり、その他8チームは60秒のピットストップが課せられます。

その結果、毎年のように途中まではノーハンデか60秒ストップのチームが上位に並びます。今年は半分の2時間経過時点でノーハンデの「ル・ボラン」チームが91周を走破。2位以下を全車ラップダウンにして、初優勝に向けて大きなアドバンテージを築きました。しかし、108周目に同チームはまさかのガス欠ストップ。SCカー導入となったことが、今回のレースに大きなドラマを生みました。

このSCカー導入時に、3人目から4人目のドライバー交代を行うことができたチームが、後半戦を有利に進めることができたことは言うまでもありません。SCカー導入時は全体のラップタイムが遅くなるため、ピットストップによるロスが通常のレース時より圧倒的に少なくて済むのです。今回もっとも恩恵を受けたと思われるのが、86号車の「ホットバージョン」チームでしょう。

4人目への交代を全チームが終えたタイミングで、86号車は13号車「ENGINE」チームに次ぐ2番手に浮上。さらに141周終了時点でトップに立つと、後は4時間経過の180周終了まで一度も首位を譲ることのない堂々たる勝利。2004年以来、12年ぶりの勝利の美酒に酔うこととなりました。

86号車の小林学チーム監督は、「2011年以降は“土屋一家”として、ドリフトマッスルの出場ドライバーたちと戦ってきました。ふだんは採点競技でレース経験はあまりない彼らですが、グリップ走行でも速いんだという証明ができました。ちなみに携帯電話やデータロガーは使わずに、レースを楽しんできました。2回のSCがピットインに使えたのも幸運でした」と語ってくれました。












NDらしく最後に勝負を決めるのは燃費
なお「ホットバージョン」チームも60秒ハンデ組ですが、終わってみれば、首位と同一ラップだったのは2位の「J-WAVE」チームと3位の「ティーポ/デイトナ」チーム。つまり240秒と180秒という大きなハンディキャップを与えられたチームが表彰台の両脇を固めました。以下、4位に「ENGINE」が179周で続き、5位の「カーグラフィック」と6位の「ホリデーオート」は178周を走破。ここまでが入賞となりました。

今さらですがこのレース、速さだけではなく燃費との戦いであることは有名です。昨年のND型導入を機に、4時間で使用できるガソリンが基本的に70Lとなりました。筑波サーキットは1周約2kmですから、今回の上位3チームは5.2km/Lという平均燃費で走り切ったことになります。今年も残念ながら5チームが172周から176周を走り終えたところでガス欠でレースを終えました。

また井原慶子さんが率いるMazda Women in Motorsport Projectの女性ドライバーで編成された「日経ウーマノミクス」チームは前年と同じ14位、女性ジャーナリスト集団による「ピンクパンサー」チームはひとつ順位を上げて17位でフィニッシュ。確実な走りで、今年も女性たちは完走を果たしました。

レース結果の確定を待って、正式表彰式がコース上で開催されました。まず登壇した「人馬一体」チームでドライバーも務めたSKYACTIVをはじめとする新世代マツダ車開発のリーダー、藤原清志専務執行役員が参加チームすべての健闘を称え、トロフィーは中山雅ロードスター開発主査から手渡されました。また協賛各社様から入賞チームに豪華賞品も贈呈されました。

SCが2度入る展開ながら、昨年を1周上回る180ラップでの決着となった第27回メディア対抗ロードスター4時間耐久レース。まさに新型NDロードスターが登場以降もますます進化を続けている印象があります。また来年も、メディアの皆さんの笑顔と正々堂々の真剣勝負を期待させていただきます。









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