「CAR GRAPHIC」が序盤の特別賞をダブルでゲット
定刻前の15時58分にマツダの小島岳二執行役員が補助信号となる社旗を振り下ろすとともに、ローリングスタートで戦いの火蓋が切られました。昨年のデータ(上位6チームが達成したと思われる6.15km/ℓ)をもとに優勝を狙うチームが定めた目標は120周あたりと思われますが、何が起きるかわからないのが耐久レースの醍醐味です。
今年もまた、優勝を争うと見られる10チームのスタートドライバーには、実行委員会が決めたハンディキャップを30分以内に消化する義務があります。前年優勝の「J-wave」には180秒、実績十分の「ENGINE」と「Tipo/Daytona」、100号車「LOVE CARS!TV!」には120秒、さらに6チームにも60秒のピットストップが課せられました。

このピットイン義務が一段落すると、当然ながらノーハンデのチームたちがリーダーボードの上位を占めるようになります。今年はレース開始後30分経過、1時間経過、2時間経過という3つのタイミングで首位のチームにも特別賞(順にクスコ賞/ブリッド賞/エンドレス賞)が設定されましたが、どうやらそこに照準を定めたのが50号車の「CAR GRAPHIC」のようです。

ノーハンデの50号車は3周目から8周目という序盤にも首位を走り、一時ハンデ対象の27号車に逆転を許しますが、18周目からは再びトップへ。その後は31周目を除く46周目まで延々とリーダーボードの最上段を守り続けます。その結果、「CAR GRAPHIC」チームがクスコ賞とブリッド賞をダブルで受賞することに成功しました。





180秒ハンデの「J-wave」が最下位からのごぼう抜き
47周目からは、ノーハンデ組の88号車「carview!/みんカラ」が先頭に立ちますが、60周目には120秒ハンデの27号車が3周にわたってトップを奪還。さらに62周目からはこちらもノーハンデの45号車「ahead」が先頭へと、上位がめまぐるしく入れ替わる展開になりました。そして78周目、リーダーボードの最上段には“813”という数字が点灯します。なんと180秒のハンデを跳ね返して、前年優勝の「J-wave」が全車をオーバーテイク。2時間経過時で首位のエンドレス賞もゲットします。

じつは今回は給油がなく、乗車時間の制約もなくなったので、むしろ作戦の幅は広がっていました。27号車の「Tipo/Daytona」は75周目という早いタイミングで3回目のピットインを済ませて、アンカーが乗車。逆に813号車「J-wave」は残り10分を切ろうかという107周目に最後のピットストップに向かいました。これは万が一にも最終盤に赤旗中断からレース終了となった場合、ピット回数が足りなくても救済される可能性を見越しての作戦かもしれません。

ここまでのレポートを読み返していただくと、今年は27号車または「Tipo/Daytona」という名前が頻繁に登場することに気付かれたでしょうか? 過去最多の8勝を誇る名門チームですが、最後に優勝したのは2013年。つまり3代目NCロードスターの時代でした。2015年に4代目NDになってからは、5年間で3勝と君臨している「J-wave」の後塵を拝しての2位2回が最高という悔しい結果に終わっていました。




積極的なレース運びが吉と出た「Tipo/Daytona」
レースが残り1時間余りとなった27号車のピットを訪ねてみると、予選アタックも担当した橋本洋平さんが早くもレーシングスーツ姿でスタンバイ完了。その時、ドライバーと電話で交信していたピットクルーが「6.4」と嬉しそうな声で復唱するシーンがありました。冒頭にも書いた上位チームが目標とする燃費をはるかに上回る数値で、どうやらアンカーの橋本さんにラストスパートが可能なアドバンテージを確保できた様子です。

決勝も終盤に近づくと、燃料が厳しくなってペースを落とすマシンも続々登場します。813号車「J-wave」が最後のピットに向かったあと、トップに返り咲いた27号車の「Tipo/Daytona」も後続とのタイム差をコントロールしながらの走行となります。これに続いていた45号車の「ahead」は、なんとファイナルラップでガス欠のためストップ。終わってみれば113周終了で27号車が最初にチェッカーフラッグを受けた時、16.874秒差の2位には813号車が同一ラップで迫っていました。

以下、3位には88号車「carview!/みんカラ」、4位に74号車「REVSPEED」、5位に13号車「ENGINE」、6位に55号車「Start Your Engines」と続いて、ここまでが入賞。5位までが優勝チームと同じ113周を走りきるという、ハイレベルな戦いとなりました。完走した15台はすべて110周以上を周回し、リタイアはわずか3台。このレースが目指した目的でもありますが、業界の腕自慢たちは確実にスキルアップしているようです。

27号車のメンバーを代表してTipo編集長の佐藤孝洋さんに話を聞くと、「2時間30分になったということもあり、今年は思いきって走り方を変えてみました。チーム全員で考えてトライした結果、前半のふたりが走り終えた時点でまずまずのデータだったので、行けるかもと思っていましたが、最後は際どかったですね」と振り返ってくださいました。






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